川柳さろん 洋子の部屋Ⅱ

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2021-09-16 (Thu) 00:49

発疹チフスとDDT

 随分昔の話です。昭和二十年代前半の出来事です。私が小学六年生の頃の事です。
終戦後の物の無い時分の話です。大変な病気が流行りました。伝染病でした。発疹チフスと言って
それにかかると、所定の伝染病棟に入らねばなりませんでしたが、敗戦後の大変な時期、
病棟は満員で、入院はできませんでした。ですから、病気はまん延して、その被害を免れることは出来ませんでした。
私の兄もその病魔にかかりました。すると家族中のものの頭から足先まで、DDTという白い粉末をかけられました。
人間だけではなく、天井から床下まで、消毒のためその粉末を浴びせられました。アメリカの消毒薬と言うことでした。
隣近所も学校も真っ白になりました。コロナだとワクチンがありますが、その時分にはそんな進んだものはありません。
その薬のむせるような匂いは、今でも思いだします。兄は四十度からの熱をだして、寝言を言って臥せっておりました。
伝染病の怖さを知ったのはその時が初めてでしたが、今、コロナウィルス感染の治まらない状況を見ていると、敗戦後の
大変な時期のことが思いだされてなりません。DDTの名前も匂いも蘇ってきます。日本が平和な内に、コロナ禍も収ま
って欲しいものだと思っています。















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最終更新日 : 2021-09-16

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