川柳さろん 洋子の部屋Ⅱ

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2020-10-13 (Tue) 16:23

そぞろ秋

         そぞろ秋 友より訃報の葉書来る           洋子

  10月も半ばになって ようやく今年の猛暑は終わった。爽やかな風に ほっと一息ついている。
そんな中、永らく音沙汰のなかった高校時代の友人Kさんから、一枚の葉書が舞い込んだ。
八十九歳になられたご主人の訃報の知らせである。
 Kさんご夫妻は、ご両人とも、教職を定年まで勤められた。勤勉なご家庭である。
 最後は、有料老人ホームでの豊かな最期であったとお聴きしたが、九十歳に近いお歳を考えると、その
淋しさは如何なものかと、心が痛む。ご主人を先に見送られたという事は、むしろ幸せなことかもしれない
と思いなおしてもみる。

 五十五歳の若さで夫を見送った私の経験からすると 、それがいかにも不幸せであったとも思うし、その若さであったから
耐えられた不幸であったような気もする。八十五歳の今、同じような不幸が身を襲ったら、耐えられないだろうとも思う。
 
 秋風に乗って届いた一枚の葉書。重くて淋しい音楽が聞こえてきそう。彼女はピアノが上手だった。ご主人を偲んでくれる教え子もたくさんおられるだろう。

  ご冥福を心からお祈りする。

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最終更新日 : 2020-10-13

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